うさぴょん号発進せよ
(…あれ?)

そこでトヲルは初めて気付いた。

手前の『くずれ荘』という名の建物、2階中央のドアが壊れて、開いているのである。

(もしかしてあれ、コウヅキが?)

ここへ最初に訪れたときには、壊れていなかった。

その後に銃声がしていた。ということは、それを使ってドアを壊し、中へ進入したのだろうか。

トヲルが考えている間にも、コウヅキは既に角を曲がっていた。それに気付き、また慌てて追いかける。

角を曲がると、コウヅキが城門の前に設置してある、幾つかのボタンを操作していた。

「あ、これってもしかして?」

「ああ、一応ここのセキュリティだ」

そういえば、ここに入るときもコウヅキが何か操作していたな、などとトヲルは思う。
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