それからの物語~続・サッカーボールと先輩とアタシ~


~ヒロ~

気になる。

あれからずっとだ。

万桜と旬磨。

土曜には二人で映画に行ったし。

今も食堂で何やら仲良く話してた。

あの『デート』の夜も万桜は『楽しかった』と電話で言っていた。

教室でジャージに着替えながら、そればかり気になっていた。

まさか付き合い初めたとか??

オイオイ…まさか…な。

でも疑惑を消しきれずにいた。

万桜が旬磨を好きになったって不思議じゃない。

旬磨は真剣に想っている。

…まさかこんな状況になるとは。

「ヒロ行くぞ。」

「ああ。」

教室を出た。

何度か考えた。

万桜が俺以外のヤツと付き合う場面を。

旬磨ならいい…とは思っていたが…。

でも、実際そうじゃないか、と思い始めたら複雑だ。

いや、万桜が決めたのならそれでいい。

それでいいはずだ…。

「はぁー。」

「どうした??ため息なんてついて。」

呆れたように旬磨が聞く。

「別に。」

決めたはずだ。

旬磨にも宣言…したはずだ。

万桜が誰と付き合っても、俺達は変わらないと。

直接聞いたら、旬磨はきちんと答えるだろう。

でも聞けない。

万桜を他の誰かに取られるなんて…。

俺、こんなに夢中だったんだ。

万桜に。

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