それからの物語~続・サッカーボールと先輩とアタシ~


「俺、絶対痩せたよな。」

ヒロ先輩はカバンを重そうに肩から下げている。

「毎日、走る距離ハンパない。」

普段弱音なんて吐かない旬磨先輩も、お疲れ気味のよう。

ああ、そういえば…。

「ヒロ先輩…。」

「あ、何?やっぱ行く?デート。」

いや、あの…。

「潤くんが、受験でこっちに来るから……終わったら会えるかな?って。」

「は?」

先輩は立ち止まった。

…やっぱり、イヤかな?

アタシは普通に友達っていうか、先輩だった人に会いに行く感覚なんだけど…。

さよならした彼と、普通に会って話して、ごく自然な風に。

変…かな?

「いいんじゃない。」

どんな反応か、不安だったがその言葉がアタシを安心させた。

「いい…ですか?」

「ああ、いいよ。友達として会うんだろ。」

いつもの優しい笑顔。

「もちろんです!」

「おーすげ~ヒロ、寛大!」

旬磨先輩がからかうように言う。

「なんだよ。」

勝ち誇った顔になってますけど。

「じゃ、俺も行こうかな。」

「はぁ?」

旬磨先輩を軽くにらむ。

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