恋 時 計 ~彼はおまわりさん~
「青木、大丈夫なのか?」
「え……?」
目を丸くした私に、先生は視線を真っ直ぐに向けて言った。
「彼氏と何か、あったんじゃないのか?」
優しい口調で話す先生を見て、思いだした。
智子と授業をサボった日の帰りのホームルーム……
先生はあの時と同じ目をしている。
先生、ずっと私の心配をしてくれてたの?
「何もないならいいんだけどさ……」
優しい微笑みを向けてくれる先生に、私はゆっくりと口を開いた。
「先生、私おまわりさんと別れたんだ」
私の言葉に、今度は先生が目を丸くした。
「先生が言ってたとおり、高校生とおまわりさんとの恋って難しいね」
「青木……?」
どうしてだろう。
ずっと泣かずにいられたのに、急に涙腺が緩み始めた。