恋 時 計 ~彼はおまわりさん~
鈴木先生っていつも明るくて悩みなんてないと思ってた。
だけど、みんなの知らない所で悩んでるんだね。
教官室から出た私は、着替えて家の近くにある図書館まで走って帰った。
図書館の前で一度深呼吸。
呼吸を整えて
乱れた髪を揃えて
ゆっくりと歩きはじめる。
六時半
この時間は巡回する前の時間。
きっと交番の中にはおまわりさんがいるはず。
日暮れのこの時間は、交番の中から外は見えにくい。
だから、朝よりも少しだけ長くおまわりさんを見ることができるんだ。
私はどきどきしながら、ゆっくりと交番の前を歩きはじめた。