恋 時 計 ~彼はおまわりさん~
「生徒のお前から見て、俺って教師に向いてると思う?」
先生の質問の意味を理解した私は、驚いたと同時に笑った。
「先生、そんなことで悩んでるの?」
「そんなことって失礼だな~。俺の人生最大の悩みだぞ?」
「あっ、ごめんなさい」
落ち込んでた先生は、謝る私の頭をクシャッと撫でて笑みを見せた。
「そんなことって言えたら楽なんだけどな……」
先生の顔がなんだかとても寂しそうで、私は思い付く言葉をたくさん口にした。
「先生、教師に向いてるよ!
生徒からの人気あるし、スポーツ万能だし、バスケ部の人数だって先生の効果で増えたでしょ?」
「まぁ~そうだけど……」
「うん! 先生は教師に向いてる!!」
大きく頷いて見せた私を、先生は何故か優しく微笑んで見た。
ん……?
私変なこと言ったかな……?
「お前は優しいな」
そう言って先生はもう一度私の頭を撫でた。