恋 時 計 ~彼はおまわりさん~


やっぱり、怒ってるんだ……。


急に涙腺が緩みはじめ、私は泣かないように唇を強く噛んだ。



泣かない。

泣いたら卑怯だよ。


悪いのは私だもん……。




おまわりさんと話したい。


だけど、この状況で話なんてできない。




警察官が私の携帯を持ってきた時、智子からもらったストラップが目に止まった。



お願い。

あなたが恋のお守りなら、私にチャンスをください……。



おまじないに頼ることなんて無かった私なのに、気づいたらそう願ってた。



心の中で

何度も何度も――。




するとまるで魔法がかかったかのように、警察官が何かを思い出したかのように口を大きく開けた。





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