恋 時 計 ~彼はおまわりさん~


私の隣で赤いシロップを氷にかけながら笑ってる智子。


先生は急に悪戯な笑みを消して、担任らしい顔つきで私たちに口を開いた。



「おまえたちずっと休んでないだろ。バテちまうぞ?」



先生の言葉に、私は目を丸くした。


あれ? 今日初めてここに来たはずなのに、

先生、他のイベントを回りながら私達のことを見てくれてたの?



目を細めて太陽を見上げた先生に、智子が明るく答えた。


「先生、私達は大丈夫。
午後からフリーにしてもらう予定だから」

「フリー? 午後から行きたいイベントでもあるのか?」

「そうじゃなくって。
お昼に私達の彼氏が遊びに来るの。ね?」



智子の笑顔に、私は「うん」って答えた。



「そうか、おまえたちの彼氏が来るのか~。
俺が良い男か判断してやろうか?」

「いやだよ~! それに判断される必要ないくらい良い男なんだからね!」

「はいはい、おあついですね」


先生は智子の自信満々の言葉に、わざと顔をしかめた後明るく微笑んだ。





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