恋 時 計 ~彼はおまわりさん~
「俺、宮本祐介。 君は?」
「あっ、青木美樹です!」
「美樹ちゃん、いってらっしゃい!」
私に笑顔で手を振り、交番に駆け戻っていくおまわりさんの後ろ姿に
私の鼓動は高鳴りっぱなしだった。
胸に視線を向けてゆっくりと掌を当ててみる。
言葉では表すことのできない想いが、
この胸いっぱいに溢れてるよ……。
おまわりさん……。
おまわりさんの名前は
宮本祐介。
何度も胸の中で名前を呼んだ。
溢れだす想いが、自然と笑顔に現れる。
けど、私はそれを隠すこともせずに学校に向かって走った。
この大事件を、早く智子に知らせたくて……。