恋 時 計 ~彼はおまわりさん~



「俺、宮本祐介。 君は?」


「あっ、青木美樹です!」


「美樹ちゃん、いってらっしゃい!」




私に笑顔で手を振り、交番に駆け戻っていくおまわりさんの後ろ姿に

私の鼓動は高鳴りっぱなしだった。



胸に視線を向けてゆっくりと掌を当ててみる。


言葉では表すことのできない想いが、

この胸いっぱいに溢れてるよ……。





おまわりさん……。


おまわりさんの名前は

宮本祐介。




何度も胸の中で名前を呼んだ。



溢れだす想いが、自然と笑顔に現れる。


けど、私はそれを隠すこともせずに学校に向かって走った。




この大事件を、早く智子に知らせたくて……。




< 36 / 712 >

この作品をシェア

pagetop