恋 時 計 ~彼はおまわりさん~
「先生はきっとわかってるよ。
美樹がどんなにおまわりさんを好きか、今もずっと忘れられずにいることも。
だから卒業まで待つって言ったんじゃない?」
「そう……かもしれない」
きっと先生はわかってくれてる。
だから保健室を出ていく時、あんなに切ない顔をして……
「卒業まで、考えてみようかな……」
「うん、それがいいと思うよ。あまり悩まず、自然に任せてね」
にこっと笑顔を見せた智子に、私は小さく微笑んだ。
「うん」
そうだね。
悩み続けても先生を苦しめちゃうことになる。
それに、恋のこたえは考えても見つからない。