恋 時 計 ~彼はおまわりさん~



2日ぶりに外に出ると、夏の香りが鼻先から体中に廻った。



よしっ。ちょっと緊張してるけど……いつもどおり学校に行こう!



交番を避けるようになってからの遠回りの通学路。


一つ目の角を曲がったところで浅野さんの姿を目にした。




あれって、浅野さんだよね……?


反対側の歩道にある電柱の陰で、携帯電話で話してる。




浅野さんとはあれっきりだったし、ここを素通りしたら気まずくなっちゃうかな……?


気づいてくれたら挨拶しよう。




視線を浅野さんに向けながら歩いていると、浅野さんはすぐに気づいてくれた。


携帯電話をポケットに入れた浅野さんに笑顔で声をかけた。






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