恋 時 計 ~彼はおまわりさん~



びっびびびっくり!!

階段ばかり見てたから、先生がこっちに向かってたなんて気づかなかった。


やっぱり先生を目の前にすると緊張しちゃう。



「おっ、おはようございます!」


ぎこちない私の挨拶に、先生の目が一瞬少しだけ見開いた。



「おはよう、青木」



真顔で挨拶だけを口にして階段を下りていった先生。

その姿に胸がチクッと痛んだ。




今、絶対意識してるって感じさせちゃったよね?


あれだけ平常心で何もなかったようにしようと思ってたのに……。




やっぱり人って不器用。


思うとおりにはいかないものだ……。









< 496 / 712 >

この作品をシェア

pagetop