恋 時 計 ~彼はおまわりさん~
びっびびびっくり!!
階段ばかり見てたから、先生がこっちに向かってたなんて気づかなかった。
やっぱり先生を目の前にすると緊張しちゃう。
「おっ、おはようございます!」
ぎこちない私の挨拶に、先生の目が一瞬少しだけ見開いた。
「おはよう、青木」
真顔で挨拶だけを口にして階段を下りていった先生。
その姿に胸がチクッと痛んだ。
今、絶対意識してるって感じさせちゃったよね?
あれだけ平常心で何もなかったようにしようと思ってたのに……。
やっぱり人って不器用。
思うとおりにはいかないものだ……。