恋 時 計 ~彼はおまわりさん~



一哉に見送られて家に入った私は、そのまま自分の部屋に向かった。



電気を付けないまま椅子に座り、呼吸を整える。


しばらくの間、放心状態のように座っていた。




これで良かったんだ……


これで良かった。





机の電気を付けて、引き出しに入れていたネックレスを、小さな鍵の付いた箱に入れた。




きっと、これからは

素直な自分で一哉と向き合える。



そう思えた。








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