恋 時 計 ~彼はおまわりさん~



「今日の夜も会うの?」

「うん。今日は一哉が家でご飯作ってくれるんだって」

「えっ、じゃあお泊り?」



智子の言葉に心臓がドキッと音を立てた。


お泊りだなんて考えてもいなかったこと……。



「ううん、家に帰るよ」

「そうなの? けど、家に行くってことは……そういうことだよね?」




『そういうこと』


はっきりと口に出さない智子の言葉の意味は、私でもわかる。


体と体を重ねること……。





言葉が何も浮かんでこなくなり、私の唇の動きが止まった。






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