恋 時 計 ~彼はおまわりさん~
ううっ……
着くまで30分くらいかな?
次の駅で少しでも乗客が減ってほしい。
長く感じる数分間、そんなことばかりを考えてた。
そして、そんな私の願いは虚しく、次の駅に着いても状況は変わらなかった。
それどころか、私が寄りかかっている扉の反対側の扉が開いたと同時に、また数人増えた。
うう~、潰される~!
声に出せない悲鳴が、顔の皺となって現れる。
立っていることが辛くなった私は、両肘を折って扉に手をついた。
扉のガラスから、ぬるい温度が手の平に伝わる。
それと同時に、
心臓が、言葉にならない冷ややかな衝撃に襲われた。
嘘――
誰か、私のお尻を触ってる――‥。