恋 時 計 ~彼はおまわりさん~



「傷はどう?」


「大丈夫。美樹が手当てしてくれたおかげだね。ありがとう」



私の頬を撫でたおまわりさんの手が、昨日より熱く感じた。


本当に大丈夫かな?

無理してるんじゃ……。



声をかけようとした時、おまわりさんの携帯電話が音を立てた。



「こんな時間に誰だろう」


おまわりさんは私の頭を撫でた後、携帯を手に持ちリビングに行った。



私はおまわりさんがいない間に乱れた髪を手で整え、服の皺を直した。



久しぶりのおまわりさんの家。

昨日は必死で何も感じなかったけど、一緒に居た頃と同じように居心地が良いな……。


私は伸びをして、心地よい空気を胸一杯に吸い込んだ。





< 639 / 712 >

この作品をシェア

pagetop