恋 時 計 ~彼はおまわりさん~






浅野さんの応急処置を終えた頃、外からパトカーの音が聞こえてきた。


薄暗い倉庫内に赤色灯が映り、私は目を細めた。




「きっと美樹のお父さんだね」


「うん」



優しく微笑むおまわりさんの瞳が、とても温かく思えた。




おまわりさんは、いろんな顔をするね。


強くて、頼もしくて、優しくて……。

どれも大好きで、私をドキドキさせてくれる。




おまわりさん、


これからはずっと傍にいられるね。



苦しい時も、辛い時も、

きっと、一緒にいたら乗り越えられるよね。



楽しい時、嬉しい時、

きっと、幸せは何倍にも膨らむと思う。





ねえ、おまわりさん



守れなかった約束、

今度は叶えようね。



あの綺麗な桜を一緒に観ようね。









おまわりさん



おまわりさん








大好きだよ……。







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