恋 時 計 ~彼はおまわりさん~
締め付けられる。
だけど心地よい心の音。
その音を合図に走り出した。
部屋を飛び出し、階段を駆け降りる。
リビングを通り抜けた時、お母さんとおばあちゃんが微笑みかけてくれているように見えた。
おばあちゃん、
おばあちゃんが言ってたことがわかったよ。
私も知ってる。
彼がとても優しい心を持っていること。
彼が人の弱さと強さを知っていること。
彼の優しい眼差しと強い眼差し。
彼の言葉は魔法で、私のヒーローで……
私はいつも
いつも彼を想ってた。
この胸の音を合図に走ってた――