**confection**




「そうと決まれば、突撃じゃー!!」



「突撃してどうすんだ……」



威勢の良い龍雅に、思わず突っ込んでしまう。


なんとなく苦笑いするももをチラリと見ると、途端に視線が絡む。


ドキリと跳ねる胸を押さえながら、それを隠すようにして無理やり口を開ける。



「…おばさん待ってんだろう?」



「あ…うん」



ハッとしたように目を見開いたももが、荷物を手に立ち上がる。


それに続くようにして、ぞろぞろと他のメンバーも立ち上がった。



全員で部屋を出て、ももの後に続くようにしてそっと玄関から顔を出す。


一台の車が横付けされているのが分かり、見覚えのある車種から、前回乗った車だとすぐに気が付く。



近付くももに気付いたように、運転席のドアが開かれると、予想した通りもものおばさんが姿を表した。



その顔は、ニッコリと穏やかでやっぱりももに似ている。



「あら!!美春ちゃんじゃないの!!」



「おばさ〜ん!!こんばんは〜!!勇磨は居ないの?」



「勇磨は友達の家に勉強しに行くって、泊まりに行ったのよ〜」



そんな会話が聞こえてきたが、ももの声は聞こえてこない。


気になって近くまでやって来た途端、おばさんが驚いたように声を上げる。



「あら!!松風君!!今日も色男ねえ〜…あら?色男がいっぱいね!!」



そして、苦笑いしてしまいそうな言葉に、食いついたのはやっぱり龍雅だった。



「ももさんのお母様!?おねい様の間違いではないんですか!?」
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