都市伝説~メリーさん
かといって友達が欲しくないわけじゃなかった。
ある日
ひとりの女子生徒が声をかけてくれたのです。彼女はメリーをみて「かわいいね」と褒めたのです。
「かわいい人形ね芽衣ちゃん。毎日人形の服が違うけど…全部芽衣ちゃんが縫ってるんでしょ?」
積極的に声をかけられた事はなくて少しビックリしました。それと同じように少し嬉しかったのです。私はかるく首を傾げました。
「あ…ごめんごめん。私は小田美千留……」
「美千留ちゃん……?」
「うん、一緒のクラスなのに覚えてくれてないなんて少し残念だな」
「ごめんなさい美千留ちゃん」
「あ…そういうつもりで言ったんじゃないのよ!でも今日からは覚えていてちょうだいね………あらためて芽衣ちゃん、仲良くしようね」
「うん!」
「ところで芽衣ちゃん…このお人形とても綺麗ね」
「うん。このお人形ねメリーって名前なの」
「へぇ、そうなの?何だか芽衣とメリーって何だか似てる」
そう言って美千留ちゃんは優しく微笑みました。
すると美千留ちゃんのそばに駆け寄ってきたのが健太くん宏くん貴文くん安子ちゃんだった。
「よぉ美千留何やってるんだ?」 健太くんが美千留ちゃんに声をかけた。
「ああ…健太くん、芽衣ちゃんがこのお人形の服を縫ってて、上手いからちょっと聞いてみたかったのよ」
すると健太くんは物珍しそうに人形の髪をさわりました。
「北乃これいくらするんだよ……すげぇ高いだろ?」
「フランスに行ってたパパからのクリスマスプレゼントなの」
「フランス?なんかよく分からねーけどすげー高そう」