宿命に逆らって
八雲はお琴がついてこなくなったことに気づいた。

「お琴?帰ったのかな?」

でも、お琴がいなくなれば、自分は自由である。

好きなだけ、好きなことをできる。



「そうだっ!ちょっと走って暑くなったし、川でもいって遊ぼ!」




確か近くに川があるはず。行ったことはないが、そこらへんを歩いていればたぶん見つかるだろう。

八雲はスキップして、鼻歌を歌いながらウロウロし始めた。







意外と早く川を見つけた。


「わ~・・・きれいな水~!」

透き通る水色の水。

それに反射する光。

楽しそうに泳ぎ回る魚たち。



暑い夏には、こんな冷たくて気持ちよさそうな水が最高だ。



八雲が手のひらで水をすくおうとしゃがんだ。






ふと、むこうを見た。





何か大きな動物と、その隣に自分くらいの歳の男の子がいるのが見えた。





「?」
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