純恋





いよいよ卒業式も

間近に迫ってくる。






もう卒業かぁ…………

って感じる。






そんな時

頭に浮かんでくるのは

やっぱり雅人のこと。






就職なのか進学なのかも

分からない状況。




勇気を出して

聞こうとも思ったりもしたけど

いつも周りに友達が居て

なんか話せる勇気が

萎えるばかりだった。





つくづくダメな人間だなと

思わさせられる。






やっぱり

雅人な恋するなんて

無謀としか

言いようがなかったのかな。



雅人と私って

生きてる世界が全くの

別物だって思えたし。









………。



………でも

好きなんだよね。




雅人と同じ空間に入れること

雅人と同じ時間に登校できたこと

雅人と同じパンを偶然買ったこと

雅人と同じクラスでいれたこと





なによりも

一瞬一秒でも

目が合うこと。




これは

他の何にも変えられないくらい
嬉しい出来事に値する。






それほど私には

価値がある瞬間なんだ。






そう考えると

相当雅人が好きなんだなって



大好きなんだなって


実感しちゃう。










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