何処にでもあるラブストーリー

第7章 吉田 悟 その1

 朝倉 涼子とは同期入社だった。 彼女とは夏の最終面接の時に、たまたま、いっしょに帰ってからの仲だ。 3年前の夏、本社のある大通りに則して歩き、僕は最終面接に向かっていた。 

 この時点で、内定を貰っている企業は2つ。 地元の中堅スーパー、と同じく地元の中堅不動産屋だった。 

 スーパーの方は、面接でマニュアル通りの質問にマニュアル通り返答したら、内定を貰え、不動産屋の方は、社長面接で、話しの成り行き上、ワンマン社長の書いた本を是非譲ってほしいと言ったら、サイン入りの本と内定をくれた。
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