何処にでもあるラブストーリー
「すいません。 休日の朝はいつもこんなもんです。 大丈夫です。 起きてましたから、すぐ行けますよ。 5分・・・いや10分で出れますよ、用意も出来てるんで・・・」

「わ・・・わかった、待ってるよ(長くなってるよ・・・)」そう言って僕はケータイを切った。

小石川植物園の高い壁の向こうに、桜、クヌギ、桃、イチョウの樹々が見えた。 それらは、晴れた太陽の日差しを受け、健康的で生命力あふれる強い緑の葉を付けていた。 

その枝や葉が緩やかな風に揺られる度に、さわさわと心地よい風の音が聴こえた。 
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