何処にでもあるラブストーリー

第6章 朝倉 涼子 その1

「涼子、今日は先に帰ってるね、後は、もうすぐ、営業から戻ってくる西野 駿君とごゆっくり!」そう言うと私の肩をそっと叩いた。 

「止めてくださいよ、美和子さん!」私は顔と耳が赤くなったのを感じた。

「あら、赤くなっちゃって、わかりやすいのね、駿君、転勤決まっちゃうみたいだし、あなた、かわいいんだから、もっと頑張らないと損よ」そう言うと、美和子は事務所を出て行ってしまった。 

美和子さんは、私の4つ前に入社している先輩で、2ヵ月後に結婚を予定していた。 相手は地元新潟市の人で学生時代から付き合いがある(かっこいい)男性と聞いている。 
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