カカオ100%




 でもやっぱりその笑顔がなんだか見た目と合っていなくて、


 思わず顔が緩んでしまったあたしはやっぱり馬鹿なのか。


「ねぇ、伊織ちゃんは彼氏とかいるの?」


 ゴホッとまたまたお約束なことをしてしまった。


 和也さんからの意外な質問に飲んでいた青りんごチューハイを吹き出しそうになった。


 えぇぇぇ。


 その質問は私には禁句なのにっ。


「い、いませんよ」


「ほんとに?」


「ほんとです!」


 いたら、自慢してノロケ話しを聞かせてるよ。

 と言うか、まずここにいないと思う。

 うん。そうだよね。


「そうだ、抜けない?二人で」


 そんな馬鹿げた事を口にしながら、じりじりと距離を詰めてくる。


 はいぃぃぃ?
 ちょ、ちょっと?


 抜けるっていったいどこへ抜けるって言うの?

 と、いうか距離近いんですけどっ。

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