オレンジヒーロー
ヒーロー参上

from亜珠

空は青いけど寒い。
冬休み明け
微妙な季節に私はこの学校にきた。
出会って1年近くなる皆にはグループもあって
馴染めない雰囲気が漂っている。

「あっあの娘転校生じゃんー?」

「ほんとだーなんかさぁー」

何をした訳でもないのに
転校生と言う理由で文句や陰口を言われる私。辛くはない。
転校なんて山程してきた。
関西や東北にだってなんどいっただろう。
ココ東京に戻ってきたのは
幼稚園以来になる。

親は私を散々転校させ結局海外へいった。
さすがに海外へ連れていくのは可哀相だと妹と一緒に東京のおばあちゃんちに預けられた。
身勝手な親。
幼い時から私の頭の中にはそんな親だった。
もう転校はないのかな。と思うと少し嬉しいけど
やっぱり今更である。
きっと友達はできても
親友はできない。そう思っていた。
今までそうだったから、きっとこの学校でも…。



ドンッ

いろんなことを考えていると私は誰かにぶつかった。
見た事ある顔。
同じクラスだったかな…。
私がジッと顔を見ているとその人は口を開いた。

「何」

こわっ。
私がぶつかったその人は、
茶色いショートボブで目付きが少し悪い。
私より小さい身長なのに何故か怖いと思う私がいた。

「聞いてんの?」

変わらない冷たい口調の彼女は鋭い目で私を見る。

「あ…ごめんなさい」

「別に良いけどあたしの顔なんかついてんの?土屋亜珠。」

「いやっ違いま…ってなんで私の名前知ってるんですか??」

私はうつむきがちだった顔をあげる。
土屋亜珠(つちや あじゅ)。私の名前を彼女は知っていた。
あ、`転校生'だからか。

「同じクラスだし。土屋亜珠こそ私の顔にも覚えないの?」

「…あっ佐伯…さん??」

「そ、佐伯沙雪(さえき さゆき)。」

これが私と佐伯さんの出会いだった。

「土屋亜珠。あんた歩く時は前向きなよ」

「え?」

ドンッ

佐伯さんの言葉にふりかえると私は壁にぶつかった


「どんくさ」

冷たい目で佐伯さんは一言呟きさった。

今のは佐伯さんのせいだと思うんだけど…
とにもかくにも
これが私、土屋亜珠と彼女、佐伯沙雪の出会いだった。

< 1 / 20 >

この作品をシェア

pagetop