今宵、月の照らす街で
「おはよう」
多香子が執務室で報告する一方で、対策室には千鶴、剣一郎、杏里の、八龍である3人が入ってくる。
「あれ、千鶴さん。今日は私服ですね。どうしたんですか?」
スタッフが千鶴に声をかける。
対策室では制服をはっきりと規定されていないが、スタッフは暗黙の了解でダークスーツを身に纏う事になっている。
政都宮内庁対策室ではそれに反して私服がメインなのは多香子と明奈のみ。
明奈に至ってはスーツというよりナイトドレスにジャケットを羽織った格好がスタンダードになっているくらいだ。
「今日は“マワリ”だから」
「そう言えば…今日ですか」
“マワリ”。
政都対策室の任務の一つの通称で、平たく言えばパトロール。
まだ害を為さない内に、小さな陰を祓う、大切な任務。
「今日、成二はいるの?」
バックを千鶴自身のデスクに置き、辺りを伺う。
「今日は平日です」
「あ、そっか」
マワリは下っ端を必ず同行させる。
成二は実力があるが、年齢的には対策室最年少。そのため、マワリは成二専用の雑用の一つだった。
「アナタは?」
千鶴がソファに座っていた子に声をかけた。
多香子が執務室で報告する一方で、対策室には千鶴、剣一郎、杏里の、八龍である3人が入ってくる。
「あれ、千鶴さん。今日は私服ですね。どうしたんですか?」
スタッフが千鶴に声をかける。
対策室では制服をはっきりと規定されていないが、スタッフは暗黙の了解でダークスーツを身に纏う事になっている。
政都宮内庁対策室ではそれに反して私服がメインなのは多香子と明奈のみ。
明奈に至ってはスーツというよりナイトドレスにジャケットを羽織った格好がスタンダードになっているくらいだ。
「今日は“マワリ”だから」
「そう言えば…今日ですか」
“マワリ”。
政都対策室の任務の一つの通称で、平たく言えばパトロール。
まだ害を為さない内に、小さな陰を祓う、大切な任務。
「今日、成二はいるの?」
バックを千鶴自身のデスクに置き、辺りを伺う。
「今日は平日です」
「あ、そっか」
マワリは下っ端を必ず同行させる。
成二は実力があるが、年齢的には対策室最年少。そのため、マワリは成二専用の雑用の一つだった。
「アナタは?」
千鶴がソファに座っていた子に声をかけた。