今宵、月の照らす街で

秋葉原電気街

月明かりと共に、電気街に電灯が灯る。


それは数多くのコンクリートと血溜まりを照らしていた。


そして、人の消えた街に轟音が鳴り、秋葉原電気街に建つビルが、またひとつ倒壊した。


その瓦礫を吹き飛ばし、中から“陰”が姿を見せる。


「如月いい!!!!」


鬼と呼ぶに相応しい形相と、大きな陰の波動が辺りの瓦礫を侵食し、風化する。そして“陰”に刻まれた傷が修復されていくのが、電灯に照らされた。


「超速再生…?」


再生に加え、敵の姿に変化があった。


それもその筈。


桜の目の前には、今までの戦闘に見られなかった、大きな陰の波動が翼を成していた。


「如月!貴様は俺が消す!この…イプシロンがなァ!!!」


―――イプシロン…?


イプシロンの発現した翼に、何の力があるのかはわからない。しかし、明らかに戦況が変わりつつある。


肌を打つ霊圧に、桜は今まで以上に敵の動きに警戒し、両手に新しい護符を構えた。


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