今宵、月の照らす街で
―――みんな…!!


あまりの痛みで、意識が朦朧とする。


もう、紘子の身体は言う事を聞かない。


紘子の目の前には、紅く広がる血の海、そして冷たく、バラバラになった身体が転がっていた。


此処には“死”しか存在していない。


黄昏に染まる夕日を背にした襲撃者の姿は、逆光で全く見えない。


成二と多香子が別の件を引き受けている間に入った霊的異常の発信源で、紘子は今、死地に立っている。


もう、チャクラムを握る力も無かった。


切られた左肩の痛みで、時々意識が遠退く。


―――逃げない!


瀕死だが、そう決めた紘子は、力一杯震える脚を大地につける。


その瞬間…紘子の視界が真っ暗になった…
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