父さんと僕
「――タダイマ」


 ぼろぼろの姿で僕は家に帰った。
 服は一応残しておいてくれたみたいで、それだけは助かった。


「何でこんな遅くになったの――って雄太!どうしたの!」


 僕が遅くに帰ってきたことについて心配していたんだと思う。
 でも、その心配も僕の状態を見てから余計膨れ上がったみたいだ。


「何でもないよ」


 心配に答えることはせず、僕は二階にある自室にのっそりと入っていく。


「雄太!雄太!待ちなさい!」


 待てないよ。寝たいんだ。僕はもう――疲れたんだ。
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