父さんと僕
 今日ディズニーランドに行くと約束してしまったから、それを妻と娘はとても楽しみにしている。酒に酔っての約束だったので僕自身は全く覚えていなかったのだけど、「約束を破ったらどうなるかわかってるわね?」と妻と娘に睨みながら言われたので渋々従うことにした。


「はいはい、今行きますよっと」


 パタリ、と日記を閉じて僕は瞑目する。


 なんだかんだと人生は辛かったし、あれからイジメがぱったりなくなったわけでもないけれど、抵抗するということを覚えた。


「おそいー!」


 愛する娘が痺れを切らしたのか、僕の部屋に駆け込んできた。


「はやくはやくー!」


「おいおい、ディズニーランドは逃げないって」


「もう!早くしてよ!」


「わかったって」


 思い出に浸らせることもしてくれないみたいだ。僕は苦笑する。


「じゃあ行こうか」


「うん!」


 さて、今日も一日頑張りますか。
 まずするべきは妻と娘のご機嫌取りだ。



                           fin
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