涙の欠片
もともとメールが嫌いなリュウは、受信BOXに入っているメールの数自体、少なくてそれが逆にあたしは怪しく思った。
「消してんじゃないの?」
ポロっとあたしの口から出た言葉に「あ?」とリュウの低い声が落ち、リュウは眉を寄せてあたしを睨み付けた。
「お前、どこまで信じてねぇんだよ」
「だって、あまりにもメールの数少なくない?」
4月に機種変したってリュウは言ってた。
でもメールの数が100件もいっていない。
嫌いってのは知ってる。だけどあまりの少なさにあたしは余計に不安になっていた。
「お前、俺がメール嫌いって知ってんだろ。お前とだってメールなんか全然しねぇだろうが」
「でもさ!!」
つい張り上げてしまった声にリュウは舌打ちをし、ダルそうにダルそうにタバコを揉み消し、あたしが握っていた携帯をリュウは奪い取る。
奪い取った瞬間バキッ…っと鈍い音が走り、またあたしの膝に携帯が飛んできた。
恐る恐る膝に目を向けるとリュウの黒い携帯がまっぷたつに割れていて、それを見た瞬間、あたしの身体は微かに震えた。