涙の欠片
「で、何してんの?」
銜えたタバコに火を点けてチラッとあたしを見る。
「…別に」
素っ気なく小さく呟いたあたしに男はフッと笑い「別にかよ」と言ってタバコを銜えた。
だって何してると言われて答えを返す事がない。
ただ家が嫌なだけ、寝るのが嫌なだけ。それをこの人に言っても仕方がない。
「名前、何て言うの?」
突然言われた事にあたしは思わず「え?」と声を出し隣を見る。
「なーまーえー。あんたの…」
何故いきなり名前を聞いてくる展開になるのか分からない。