涙の欠片
第七章−哀切−
青空にサンサンと照り続ける太陽。
そして乾いた空気。
9月の日差しはまだまだ続き頬を傷ませる。
「うっわぁ!!恵梨菜、髪どうしたの?」
新学期の朝、教室に入った途端、美沙の声が響いた。
「染めちゃった」
そう言って苦笑いをしながら椅子に座ると、美沙はあたしの髪に触れる。
「似合ってる。ヤンキーみたいで」
美沙はあたしの髪をクルクルと指に絡めながらケラケラ笑う。
“ヤンキー”は余計だから!!
美沙とは夏休み中、1回も会っていなかった。
美沙もバイトで忙しく、あたしと会える日は全くなかった。だから美沙と会うのは1ヶ月以上振りだ。
「ねぇ!!久しぶりに会ったんだしさぁ、今日買い物でも行こうよ」
美沙は楽しそうに声を張り上げ、あたしの腕を掴んで激しく揺する。