kiss・kiss・kiss


「……わからない」


『ごめん…いきなり、いやいいんだ。気にすんな』


そこからあたしたちは、なにも言葉を発さなかった。


陵が指を絡めてきたのを受け入れて、お互い顔を見合わせる。


陵は、口角を少しあげ、あたしの頭を撫でた。あたしもつられて笑った。


でも陵の顔は、なんだか寂しそうだった。

ごめんね。陵…ごめんなさい……

今さら謝ってもだめだけど、この時陵の決意に気付けなかった。


この時自分の運命に対しての気持ちを言っていればこんな思いは、しなくてすんだのかなあ……


あたしたち…いつまでも一緒にいれたのかなあ…


ねぇ?陵…今なら言えるよ。


運命を信じるって……




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