kiss・kiss・kiss
第十一章 無色の世界

あの日の夜からあたしと陵はなんだかお互いギクシャクしていた。


杏奈ちゃンたちはそんなあたしたちを心配して何度も 大丈夫? って、聞いてきてくれたけどあたしは 大丈夫 としか答えなかった。


原因は、あの日の夜って、わかっていたけど杏奈ちゃンたちには、なんだか言えなかった。


言ったらだめなような気がしたから……


たぶん奏多くンが陵に同じように聞いたと思うけど、杏奈ちゃンがあたしに聞いてくると言うことは陵も言わなかったってことだ。


あたしたちは、話しをしたりしたけど、前みたいにラブラブではなく、会話も全然続かない。


そんな日が何日も続き、夏休みも終わってからのある日のことだった。






.
< 114 / 138 >

この作品をシェア

pagetop