kiss・kiss・kiss


あたしはバカだ。おおばか者だよね。


「陵…今なら大丈夫だよ。あたしは陵が好きなの…陵がいなくて初めて暗闇を知ったの…恐かった、怖くて、怖くて……」


ふわぁ


陵があたしの腰に腕を回して、抱きついてきた。優しく抱きついてきた。


『ごめんな。寂しい思いさせて、もうさせねぇ、玲菜、俺と一緒に頑張ってくれないか??』


陵は体制を崩さず顔だけを上にあげてこちらを見つめる。


嬉しい。陵…答なんて出さなくても知っているしわかっている、


あたしはあなたが大好きです。


「…うん、頑張ろうね」


あたしは陵の髪を優しく撫でる。


『来週手術だからそれまで一緒にいたい』

「ふふ、あたしもいたい」





*
< 132 / 138 >

この作品をシェア

pagetop