【続】インナーラブ~俺は荒海47歳~
「あれ?山口も弁当にしたん?なんでや?彼氏の分作るついでに自分のも作ったんか?」
「まさか~!違いますよ。健康の為に作ってみたんです」
何気なく彼氏がいるのかどうか確認している俺。
この気持ちは・・・
まさか。
忘れていたアレ?
『恋』・・・ってやつ?
違う違う、まさかそんなわけないやろ!!
だって相手は20も年下の部下。
ありえへん。
「部長!!今日のネクタイかっこいいです」
こんなこと言ってくれる人はいなかった。
亡くなった妻は、よくそんなことを言ってくれたけど。
「まじで?俺に惚れたんちゃうんか~!」
冗談で交わしてしまうのは、俺の癖。
「またまた~!部長そんなことばっかり言ってると奥さんに怒られますよ!」
本当は言いたかった。
俺、ひとりやでって。
俺、寂しいねんで。
俺、誰かの温もりが欲しいねん。
その「誰か」ってのは、実はお前やねんで・・・