バレットフィンク
「なあ、学。お前の奏でる音楽は、文句無しに素晴らしいよ!」


「お前の曲を聴く度に、俺はお前に近付いているのか、遠のいているのか、実際分からなくなるんだ…」


「卒業式の時、お前はただの一度も振り返る事無く行ってしまった。あの時の光景から俺とお前の距離は、果たしてどうなっているんだ?」


タケシは雑誌を眺めながら、心の中で学に問いかけていた。本屋から出るとタケシは家に帰る為、スクーターの座席に跨がった。


すると雨滴が空から舞い降りて来るではないか?


タケシは不思議と急がずに緩慢な動作で動いていた。


まるで雨滴にぬれるのを待ち焦がれている様に…。



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