せんぱい,好きです

としうえ






「あおちゃんっ、
 こっちこっち」



タカくんが、
向こうの方で手招きをする。

あたしは、とことことタカくんたちの方へ、歩いていった。



「あんた……あお…だっけ?」

健斗くんが、
いきなり呼び捨てにした上に、あんたとか言われて、腹が立ったあたしは、



「……そうですけど」



そう冷たく目を背けていった。


「あ、マヂ敬語とかやめて。
 てかさあ、俺の名前分かる?」

「……健斗くん、でしょ…?」

「ハハッ、くん付けかよー」

「てかあおちゃんって、
 なんか……夕木ちゃんと違うタイプっすねー」

「……用を言ってよ」

「あー、っと……」



なにか言いにくそうにする健斗くん。
タカくんは、隣で居る無口なコウくんと喋っていた。



正直、一番かっこよくて
あたしのタイプは、健斗くん。
だけど、一緒にいて楽しそうなのは、タカくん。


誰よりも、大切にしてくれそうなのは、コウくん。



そんな事を、勝手に分析していると、健斗くんがやっと口を開いた。



「……あんた、なにカップ?」

「は……ぁあぁあっ!!??」


いきなりのセクハラ言動に、びっくりするあたし。


「ハハッ、健斗なに言ってんだよー」

「いやぁ、ひまだったから」


さらりとそう述べる彼……に、あたしは軽くキレた



「んなのが、用事なわけ…?
 意味分かんないし!!

 呼んだんなら、ちゃんと用事言って、はやく帰してよ!!」



あたしは、じっと長身のタカくんを最初に、健斗くんを睨みつけた。
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