せんぱい,好きです




まさか。


こっちからは、かなり見える距離だけど、向こうからは見えないのから、大丈夫だと思ってた。



「……ねぇ夕木、もう帰ろーよ。
 失礼だけど……、三年生って、あんまイイ噂聞かないし…」

「……まあ、そうだねー
 てゆうか、あおは関わりたくないんでしょっ?」


笑いながら、
単刀直入に言ってくる夕木。


あたしは、小さく頷いた


「タカくーん!!」


夕木が、タカくんを呼び、今にもなにか言ってきそうな、

タカくんに、さよならを言おうとする。



「おーっす。
 ちょっと……
 あおちゃん、呼んでー」

「あお…?
 いいけど、すぐ終わる?」

「あー、頼む!健斗の頼みだし、夕木ちゃんには悪いけど……、帰って」



意味、分かんない。



あたしは呆然としていた。
健斗くんが、あたしを呼んでて、夕木には帰れって?


あ、でも……もしかしたら、
ヨリ戻そうとかの話!?

夕木本人にはしにくいから、
あたしを通して……とか!



絶対そうだっ



「夕木!
 あたし行くからさ」


「え……、いいけど…。
 ──わかった。
 じゃあウチ、先帰るから…」


うつむき気味で、表情がわからない夕木。
あたしは、てっきり照れてるのかと、このとき思った。



あたしは、1人で
タカくんたちのもとへ行った。




この選択が、

間違いだったんだね

夕木。

ごめんね
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