せんぱい,好きです
「……こ、こんちわ」
控え気味に小さな声で、あたしより身長が
少し高めの“健斗”という人に挨拶した。
「どーも。ってか 夕木、
ムリヤリ連れてくんなよ。」
「あお、いつもはもっとウルサいのに、
どしたのー」
──早く帰りたいからですよ、夕木さん。
あたしの訴える目に、気づかず、話を勝手に進めていく夕木。
仕方がない。
ここはもう、黙っておいて早く終わらせよう。
あたしはそう想い、うつむいていた顔をあげた。