[短]6月の第2ボタン
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トウキョウは、うるさいくらいに賑やかだった。
「行ってきます」
叔父の家で暮らすようになって、2週間。
初めは慣れないことばかりで困惑の連続だったが、
日にちを重ねてしまえば不思議と慣れてしまったようだ。
あれほどうるさかった梅雨は、いつの間にか僕たちの前からあっさりと姿を消してしまった。
あんなに耳障りで仕方がなかったあまおとが、今更ながら恋しく思えたりする日もある。
シャツにブレザー。
彼女が欲しがった第2ボタンのついた学ランを、僕は未だに身にまとっている。
ネクタイを締める生徒たちの中でひとり学ランを着ている僕は、
クラスや学年を通り越して学校中の格好の見せ物となっていた。