[短]6月の第2ボタン
肩に鈍い痛みが走る。
と同時に、ドサッという荷物が落ちる音が響き渡る。
「…あ、すみません。大丈夫ですか?」
考える間もなく、僕は人にぶつかってしまったのだと気づいた。
地面に目を向ければ、そこには長い髪をなびかせ、
散らばったいくつものノートを懸命に拾う1人の少女がいた。
ぶつかった勢いで、持っていたノートを落としてしまったのだろうか。
焦る少女などお構いなし、とでも言うように、こちらに目もくれない通行人を背に、僕は少女を手伝った。
少女は「大丈夫です、」と言ったが、僕の不注意で彼女はノートを落としてしまったので、僕にも責任がある。
そう言うと少女はにっこりと笑った。
「やさしい方なんですね」