赤りんご





それから数日経って、亮太は千明さんと二人で話したらしい。



この前みたいに頭ごなしではなく、ちゃんと二人とも冷静に話すことが出来たって…。




不安だったけど、待っている間はとにかく亮太を信じつづけた。




身勝手な理由で別れを告げて、傷付けてしまったことを謝って…



それでも今は、私と一緒にいたいんだって言ってくれたらしい。




それ以外に何を話したかは聞かなかったけど、千明さんは納得してくれた。



ちゃんと話が聞けて良かったと笑ってたって…



もう二度とあんなことはしないと約束したって…。




直接私に謝りには来なかったけど、私はそれでも良かった。



千明さんが納得してくれたのなら、それで良かったと思うから。




こんな大変な経験は二度としたくないと思ったけど、でもそのおかげで、私を大事に思ってくれるみんなの存在にも気付くことが出来た。



亮太だけじゃなく、守ってくれる仲間も大事な人なんだって…




みんなに言いたい。



心から


『ありがとう』





やっと、平和な学校生活が戻ろうとしていた。




< 157 / 215 >

この作品をシェア

pagetop