赤りんご




次の日曜日は、久々に亮太とデートをすることになっていた。



こうやって私服で会うのも、結構慣れてきたかも…。



最初の方はドキドキしっぱなしだったけど…



由美が前に話していた『慣れ』はこういうことなのかな。




この季節の北海道は少し肌寒いらしく、長袖の方がちょうどいいらしい。



だから修学旅行の買い物をしに街に来ていた。



買い物を終えて、映画を見てご飯を食べた後。



夜遅いので帰ろうと繁華街を歩いていた。




「修学旅行楽しみだね!!」



「そうだな!俺は3日目が1番楽しみだけどな〜」



3日目って…自由行動の日だ。



「亮太がみんなの前であんなこと言うなんて…ビックリしたよ!」



「ホントは嬉しかったくせに〜!」



無邪気な笑顔で、亮太は私の髪をくしゃっと乱した。



「いっぱい楽しもうね!」



「うん、夜…抜け出しちゃおっか?」



亮太の可愛い言い方に、思わず胸がキュンとした。



やっぱり無理だな…

私には。



『慣れ』なんて一生来ない!!




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