赤りんご
消灯時間が過ぎて、先生が来てもバレないように、明かりを少し落とした。
みんな布団に潜って、顔が見えるように近くに集まった。
夜はまだまだこれからだ。
始まったのは、彼氏の好きな所を言い合う自慢大会。
「私は…守ってくれるところかな」
亮太の好きなところ…言い切れないぐらいたくさんあったけど、始めに思い浮かんだのがこれだった。
それを聞いてみんな納得していた。
「由美は…バカだけど、男らしいところ!」
分かる気がする。
由美の言うことは、この前助けてもらった時によく分かった。
「慎吾先輩の意外とカワイイ寝顔♪」
彩花の言葉にみんな大爆笑。
彩花らしいと言えば、らしいけど…。
「えみは?他校の彼氏!」
何て言うんだろう…。
やっぱり気になる…!!
紺野先生の、どこに惹かれたんだろう。
「えっと……頼りなさそうに見えて、実は強引な…みたいなギャップかな?」
由美と彩花は、「へえー…」と言いながら、羨ましそうにえみちゃんの顔を見ていた。