オレンジ模様
「う゛~ありあと~」
ずるずると鼻をかむコイツにたまに心底呆れる。
いや、たまにじゃないか。
あたしのポケットティッシュを何枚か使って、満足いくまで鼻をかんだ奏多は、風邪引いたかなと呟いてからこう言った。
「麗は優しいなぁー。なんだろ…麗を色で表すとー赤とピンクが混ざったようなー…赤と白が混ざったようなー」
「それピンクだよ。」
あたしはアンタがそれを真面目に言ってるのか疑問に思うよ。