アスファルトに咲け!



声がした方を見ると、椅子に座り机に頬杖をつきながらこちらを見ている男子が1人。



長い睫にくっきりと大きな瞳があたしを映している。




なんか、物凄く見覚えが……




「んだよ、ミケの知り合い?」



猿岡がミケと呼んだその男子はクスリとも笑うことなく不機嫌そうな無表情を向けている。




「えー……っと?」

「昨日の今日でもう忘れたか?タコじゃなければトリ頭だな」

「んなッ!?」




可愛い顔してなんなのよこの毒舌王子。そんなこと言われる筋合いないってのよ。




言い返そうとしたその時。毒舌王子ことミケの言葉で、あたしはミケが何者かを悟った。




「段ボールはちゃんと片付けたのかよ、タコ女」




昨日の段ボールの被害者である美少女だ…!



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